スポーツ障害

スポーツ障害

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1.まず知っておきたいこと

スポーツをしていて怪我をした時どうしたらいいか悩んだ事はありませんか?
どこの病院に行けば良いのか悩んだ事はありませんか?

スポーツ選手にはあまり時間がありません。

「運動をやりながら治せないか?」
「次の大会までに間に合うか?」
「今現在のレギュラーポジションはどうなるか?」

など様々な悩みを抱えます。

もちろん痛む部位や痛み方はそれぞれ違いますが、通常病院にいくと「痛みが治まるまで運動を禁止しましょう。」と指示されることが多いかと思います。
スポーツ障害に詳しい病院ならば、専門的な治療やリハビリを積極的に行ってくれますが、そうでない病院だとなかなかそうはいきません。
こういったスポーツによる障害は他にもテニス肘(テニスよる肘の痛み)やシンスプリント(脛骨過労性骨膜炎;スネの痛み)、オスグット病(膝下の痛み)肉離れや捻挫など様々なものがあります。

これらスポーツ障害は風邪をひいた時とは違い、治療をするだけでなくなるべくパフォーマンスを低下させずに怪我をした部位を治し再発させないためにも原因を追究し正しくリハビリテーションを行うことが必要です。

そうでないと、安静をとっただけで痛みがなくなったとしても、また運動を再開すればすぐに再発を繰り返してしまうことになります。再発を繰り返せば、思うように競技が出来ず、悪循環の末ゆくゆくは損傷部位が変性を起こし、その競技が出来なくなってしまう恐れもあります。一番大切な事は、自分の症状を正しく見極め、その競技をよく知っている先生を選び、正しい治療・正しいリハビリテーションを受ける事が大切です。

2.オーバーユースとは ~使いすぎ症候群~

特に日頃の練習からオーバーユースは発生します。練習とは、その種目に対する運動能力を高める為またはその技術を習得する為、繰り返し同じ動作を行う運動をいいます。同じ運動を繰り返すということは、局所的に同一部分を使うこととなります。当然、その部位の筋収縮は何度も行われるので筋肉中のO2不足が生じた結果、代謝物質が蓄積して筋肉の疲労状態を招き、さらに筋肉の収縮力が低下し、動きのパワーやコントロールが低下していく状態になって行きます。これがオーバーユースです。

疲労状態の組織に能力以上のストレスを与え、さらに無理な動きをしようとした場合、その筋肉や腱、腱付着部、骨、軟骨、関節包、靱帯といった運動器系に微細外傷や炎症が発生し、局所的な組織障害を招いてしまいます。そして、炎症の繰り返しが、さらに組織を悪化させ、局所的な拘縮、変性萎縮、瘢痕形成、変形などにつながり、機能低下を起こします。

その状態でスポーツを継続して行えば、スポーツ障害(肉離れ、脛骨疲労骨折、腱炎、軟骨損傷、腱の付着部のはく離骨折、捻挫、筋断裂など)を発症する可能性が高くなります。

3.オーバーユースを防ぐには ~次の練習まで疲労を残さない~

次の練習まで疲労を蓄積させた状態のままでいないように、クールダウンをしっかり行う事です。そして痛みが多少ある場合にはPRICES処置を行いましょう。翌日に痛みが強くなっているようであれば、受診をお勧めします。

パフォーマンスを向上させるためには強化(練習)とコンディショニングをともに行わなければなりません。このバランスが崩れると強化のための練習がオーバーユースを招き、逆に筋肉組織に悪影響を与えてしまうのです。ひいては神経の疲労も起こり、いいイメージのもとで筋肉の働きのコントロール(瞬発性筋肉のグラデーション・タイミング)も養えなくなってくるといえます。

パフォーマンス練習は、いい神経状態のなかで筋肉を収縮させ、感覚器官(反射)も十分に働くレベルの下で行うほうが、技能のアップにつながりやすいのです。

4.まず自分で出来る事は

応急処置の方法

まず何らかしらの怪我(ぶつけた、捻じった、伸ばした、転んだ等)をすると、その損傷部分(筋肉・靭帯・腱・関節包などの軟部組織)の毛細血管から出血を起こし炎症が発生します。
これを腫脹(腫れ)といいます。腫れには様々な出現の仕方があり、怪我をした直後から「ピンポン玉」のように腫れあるものもあれば、しばらく運動を継続できるが徐々に腫れが出てきて、少し時間をかけて痛みの為運動が出来なくなる場合など様々です。

応急処置のポイント

応急処置のポイントは、とにかくどんな怪我であっても受傷直後30分以内に正しい処置をする事です。そして腫脹(腫れ)をどれだけ抑える事が出来るかがポイントとなります。これらの処置が行えることで最短で治癒を迎える事ができ、競技復帰を早める事につながるのです。

最善の応急処置【PRICES処置】

PRICES処置は6つの処置から成り立っております。

P 保護(Protect) 安全な場所に移動する
R 安静(Rest) 運動を中止し患部の安静をとる
I 冷却(Ice) 氷のう等で患部を冷やす(凍傷注意)
C 圧迫(Compression) バンテージ、タオルなどで患部を圧迫
E 拳上(Elevation) なるべく患部を心臓より高い位置に
S 安定・固定(Stabilization / Support) タオル、三角巾などで患部を固定する

これらの頭文字を使ってPRICES処置と呼ばれています。

応急処置は部位・症状にもよりますが、PRICES処置、特に『I冷却(Ice)』を15~20分行い、40~60分程度インターバルを置いて再度PRICES処置を行います。

受傷後24時間~72時間の間はこの繰り返しを行う必要がありますが、受傷当日もしくは翌日には受診をお勧めします。

以前までは皆様が良く知っている応急処置としてはRICE処置の4つが一般的でしたが、近年では”P”と”S”が追加され、PRICES処置この6つが基本になってきております。

アイシング素材には専用アイスパック、氷のう、家庭用保冷剤等さまざまな物があります。
凍傷に注意してください!!

アイシングの方法

①アイシングする際には、患部を直接冷やすのではなく、ハンカチやフェイスタオルなど患部とアイスパックの間に入れてください。

②バケツに冷水を入れてアイシングも一つの方法ですが、バケツの場合アイシング中患部を挙上しておく事が出来ません。出来ればアイスパック等圧迫(Compression)効果もある素材を使用した方が効果的です。

③アイシング時間は15分~20分行い40分~60分のインターバルを取りもう一度アイシングを行います。受傷後24時間~72時間の間はこの繰り返しを行う必要があります。

まとめ

①直接冷やさない。一枚ハンカチを!
②患部を挙上(出来れば心臓の高さまで)
③冷却時間は15分~20分(2回繰り返す)
④時々爪を押して血行状態を確認

4.怪我の予防のためには

ウォーミングアップ&クールダウン

いわゆる準備体操と整理体操です。極めて重要な事ですが、軽視される傾向にあります。

ウォーミングアップ

激しい運動の前に軽い運動をする事で、徐々に心拍数を高めて行き、血液を全身に送ります。
局部の筋肉は充分な血流を確保できる事で、初めて最大限のパフォーマンスを発揮できます。ウォーミングアップ時の心拍数の目安はおおよそ100~110の範囲が良いと考えられます。これは110を超えなければ有酸素運動で疲労物質である乳酸がたまらないからです。
110以上になってしまうと乳酸がたり、ウォーミングアップ時の時点で疲労がたまって逆効果だからです。

【アップ所要時間】
アップに要する時間は、最低でも15分、平均的には30分~40分行いましょう。

クールダウン

急に運動をやめてしまうと、運動時に発生した疲労物質である乳酸などが充分に除去できず、筋疲労が長く続く結果になります。そのためゆっくりクールダウンしましょう。クールダウンは、筋肉中の疲労物質(乳酸など)の除去を促進させることが主な目的です。筋肉は、運動強度が増して酸素の供給や乳酸の再利用(酸化)が間に合わなくなると、疲労物質が蓄積し、収縮できないようになります。運動中に筋肉が痙攣したり、つってしまったりするのはそのためです。
一日の疲労はできるだけその日のうちに取り、蓄積させないことが怪我予防の第一歩です。
また、クールダウン後にアイシング、さらに入浴後や就寝前にストレッチングをおこなうことは、クールダウンの効果を倍増させ、局所疲労回復に威力を発揮します。精神的リラクゼーションも、神経性疲労の除去のために必要です。

【クールダウン所要時間】15分
【アイシング所要時間】15分~20分

疲労が強い時には、アイシング後に入浴し温める事をお勧めします。
ただし、痛みがある時には入浴は禁止し、PRICES処置を行ってください。

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